総会運営と議決権の集計
接戦の議案では、当日出席した株主の票をどう数えたかが結果の読み方を左右します。臨時報告書の注記には、各社の集計方法が書かれています。海外の株主は、賛否の数と集計方法を英文で確認できるかを見ています。
2026年10月19日作成。出典は2026年10月24日に再確認しました。賛成率などの数値は臨時報告書・会社の開示によります。
問われる点
接戦の議案で、当日出席した株主の票はどう数えたのか。拍手か、投票か。数えていない票はどれだけあるのか。
臨時報告書の注記から読み取れる論点の整理。
総会の基準日を変え、有価証券報告書を読んでから議決権を行使できるようにすべきだ。
2026年に複数の会社に出された定款変更の提案の要約。論点07で詳述
回答に含めるべき要素
- 集計の方法:事前行使分と当日出席分をどう合算したか、当日の賛否をどう確認したか。
- 数えていない議決権:加算しなかった理由と、賛成率の分母に含めたかどうか。
- 除外した議決権:法令で除外した議決権(特定の株主からの自己株式取得の相手方など)。
- 修正動議の扱い:採決したか、集計したか。
- 英文で、賛否の数まで:議決権行使結果の英訳。G6
各社の集計方法(臨時報告書の注記から)
- 太陽ホールディングス(4626)2025年:社長の解任議案(賛成49.90%)について、当日出席した株主の意思を正確に反映するため総会で投票を実施し、事前行使分に当日の投票を加えて集計。論点05 →
- フジ・メディア・ホールディングス(4676)2025年:採決は事前行使分と当日の拍手で確認。賛成率は、総会後に当日出席者から「議決権行使結果投票用紙」を回収して反映し、提出のなかった議決権は棄権として扱った。そのため採決時の拍手の数を正確に表すとは限らないと注記。
- フジ・メディア・ホールディングス(4676)2026年:配当と取締役選任の原案に対し、株主から修正動議が出された。原案が可決されたため修正動議は成立の余地がなく否決として扱い、議決権の数は集計していない。
- 大阪製鐵(5449)2026年:親会社からの自己株式取得の議案では、会社法の趣旨を踏まえ、取得の相手方である親会社の議決権を集計に含めていない。株主提案については賛成率ではなく反対割合を記載。論点08 →
- 多くの会社:「当日出席の株主のうち賛否の確認ができていない議決権数は加算しておりません」と注記(事前行使分で可決・否決が確定するため)。三井金属(5706)2026年は、その議決権を賛成率の分母に含めると明記。
同じ「賛成率」でも、分母や当日分の扱いは会社によって異なります。接戦の議案ほど、注記まで読む必要があります。
英文での公表
三菱UFJ(8306)は臨時報告書そのものを英訳し、賛否の数、可決要件、集計方法の注記まで英文で公表しています。ステラ ケミファ(4109)も英文の議決権行使結果に賛否の数を記載しています(G6 = 5)。一方、太陽ホールディングス(4626)と三井金属(5706)の英文は可否のみ(G6 = 2)、フジ・メディアHD(4676)は英文の議決権行使結果がありません(G6 = 該当なし)。
出典
- 臨時報告書(第79回定時株主総会)
- 臨時報告書(第84回定時株主総会)
- 臨時報告書(第85回定時株主総会)
- 臨時報告書(第48回定時株主総会)
- 臨時報告書(第101期定時株主総会)
- Extraordinary Report(英訳)
- Japan IR Index 調査記録:4109、4626、4676、5706(2026年9〜10月)