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2026年10月版 · 評価基準 GNT-BDS v1.1.1 · 最終更新 2026-10-23日本語 / English
Japan IR Index英文開示・株主コミュニケーション調査

株主総会・対話で問われる論点 06

役員報酬の開示

日本の法定開示は、報酬1億円以上の役員を除き、区分ごとの総額で足ります。海外の投資家は個人別の金額と、業績との連動を見ようとします。2026年には、議決権の0.05%しか持たない株主の「報酬の個別開示」提案が43.10%の賛成を集めました。

2026年10月19日作成。出典は2026年10月24日に再確認しました。賛成率などの数値は臨時報告書・会社の開示によります。

実際に出ている問い

役員ごとの報酬額と内容の開示は、妥当な報酬が払われたかを株主が確かめるために欠かせない。日本以外の先進国の市場では個別開示は当然で、投資家に不都合は生じていない。

三井金属(5706)2026年 株主提案の提案理由(ヒデショウ)の要約。

社長の報酬は他の上場企業と比べて極めて高い。

太陽ホールディングス(4626)2025年 株主提案の提案理由(Oasis Japan Strategic Fund)の要約。

回答に含めるべき要素

評価項目G4(役員報酬と業績連動)は、構成、KPIとその比重、金額の三つがそろって5点です。

  1. 報酬の構成:固定、業績連動(現金)、株式報酬の比率。G4
  2. KPIと算定式:何の指標で、どの水準で、いくら変動するか。G4
  3. 金額:区分ごとの総額に加え、社長など主要な役員は個人別に。G4
  4. 比較の根拠:「高すぎる」と問われたら、何と比べて妥当と判断したか。
  5. 決定の手続:報酬委員会の構成と、委員会での審議。
  6. 英文で:統合報告書、ガバナンス報告書、有価証券報告書の該当箇所。

事例:三井金属(5706)2026年

提案株主
ヒデショウ(議決権の0.05%)
提案
役員報酬の個別開示を定款に定める
結果
否決(賛成43.10%、3分の2が必要)
2026年6月26日 第101期総会 株主提案賛成率
役員報酬の個別開示(定款)43.10%
社名の変更(定款)3.03%
配当を1株500円に1.77%

同じ株主の三つの提案のうち、報酬の個別開示だけが大きな支持を集めました。提案者の議決権は0.05%ですから、賛成の大半は提案者以外の株主によるものです。

回答が答えた点

  • 取締役会意見で、報酬の構成(基礎報酬・業績報酬・株式報酬)、業績報酬の指標(連結経常利益とROIC)、ESG指標要件型の株式報酬を説明した。
  • すでに一部を個別開示に移行していると表明:第100期の事業報告から、社長と報酬1億円以上の取締役は個別に開示。
  • 英文:統合報告書2026と英文ガバナンスページに、構成・KPI・金額(G4 = 5)。

答えていない点

  • 社長と1億円以上の取締役以外を個別開示しない理由は、「法令に従い区分ごとに適正に開示している」にとどまる。
  • 英文の決議通知は可否のみ(G6 = 2)。43.10%という支持の大きさは、英文では読めない。

事例:太陽ホールディングス(4626)2025年

社長の解任提案の理由の一つが報酬水準でした。取締役会は、報酬が基本報酬・業績連動の現金報酬・業績連動の株式報酬(3年の譲渡制限)・譲渡制限付株式報酬(10年の譲渡制限)で構成されること、社長の現金報酬はプライム市場の他社代表取締役の平均以下・中央値に近い水準で、固定報酬は下位25%の水準であることを示して反論しました。比較の対象と位置を数字で示した回答です。

英文では、有価証券報告書に報酬の構成、上限、KPIの算定式が掲載されています(G4 = 5)。総会の結果は論点05を参照してください。

出典